数日後。 「村正さん、村正さん」 村正がまた屋敷の一階の廊下を歩いていると、あやめが廊下の角から、ちょいちょいと手招きしてくる。 ちょいちょい可愛いな、と思いながら、村正は、あやめのもとに駆けていった。 呼ばれたムラマサが彼女のもとに行くスピードよりも速く。 「村正さん、作りました」 「なにを?」 「村正さんに話すための私の秘密です」 どうやって!? っていうか、それは秘密になるのかっ? と思う村正をあやめは、そっと外に連れ出す。