健悟はホッとしながら、

「公共の場でイチャイチャすな!」

喜々良と紬を引き剥がす。

「あ、体育祭の係り、決めなきゃ!
ほら、学校に行くよ!」

学級委員の紬は慌てて2人を学校に連れて行ったが、黒板には白い文字が並び、残されたものは、放送係と射手係だ。

「さ…最悪だ」

喜々良は思わず、床に座り込んでしまう。

喜々良は聴覚過敏で、あらゆる音が大きく聴こえ、恐怖を感じてしまう。

かと言って、放送係もシャイな喜々良ではつとまらないだろう。

そんな喜々良を見て、

「はいはい!」

元気よく健悟が手を上げる。

「俺、両方やるよ!」

「ええ!?」

驚く喜々良に、

「俺に任せろっ」

健悟は笑い、喜々良にピースサインをして見せた‐。