何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

「初めて会った日、秘密の滝に案内してくれたよね。その時話して、違和感があった。もしかして蒼空も心に傷を負ってるんじゃないかって」


蒼空の顔から徐々に笑みが消えていく。


フッと真顔に戻り、何もない窓の外へ視線を投げかける。


「図星だった?」


返事はない。


セミの鳴き声が一段と大きくなる。


蒼空がおもむろに窓を開け、セミの大合唱が鼓膜を揺らす。


「…セミは元気だな」


「……話、逸らさないでよ…」


窓を閉め、蒼空を見つめる。


無理やり目を合わせにいくと、蒼空は観念したように笑った。


それはさっきまでの仮面の笑みではなく、心から漏れた失笑だった。


「やっぱりさー、同じ痛みを持つ者同士って惹かれ合うんだなー」


「同じ痛み…」


「思い返せば、知らず知らずのうちに花純に助けを求めてたのかも。仮面の話だって、滝の場所を教えたのだって、ホントは俺のSOSに気づいてほしかったからなのかもしれない」