何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

私は、仮面の下を知らない。


ううん、私だけじゃない。


ここにいる皆も、仮面の下の素顔を知らない。


蒼空は…、誰の前でも仮面を脱がないんだ。


無理して明るく振る舞うのはツラくないのかと訊ねた私に、蒼空は言った。


“世の中、そんなことよりもっとツライことなんか山程あるよ”


この世の全てを軽蔑するような、冷めた暗い瞳だった。


もしかしたら、あれ 仮面の下だったのかもしれない。


「蒼空、元気そうでよかったね」


「ね。蒼空でも夏バテになるなんて、やっぱり今年の夏は暑いねぇ」


萌音と真由は、蒼空に何の違和感も持っていないみたいだ。


私だけ…?


私が気にしすぎなの…?


でも…、やっぱり何か変だよ…。


何が変なのかはわからないけど、ここにいる蒼空は蒼空じゃない気がする。


「花純?どしたの?」


「……ねぇ、蒼空は夏なのになんで長袖なの?」


変だよ…。


この休み、本当に夏バテだったの?


何か他にあったんじゃないの…?