「前の学校で何があったの?聞いちゃだめかな?」


意外なことに、萌音が食い下がってくる。


その目は真剣で、とても茶化しているようには見えない。


「1人で抱え込むんじゃなくて、俺ら4人で分け合った方が良くね?」


「そうだよ。痛みは4等分しよう?」


律も真由も…。


私のために真っ直ぐな眼差しで向き合ってくれている。


“俺らは花純のことを大切な仲間だと思ってるから”

“花純は一人じゃない”


蒼空だって…。


私を仲間だと認めてくれた。


他所から来た人間を、温かく迎え入れてくれた。


もう一度、信じてみてもいい…?


頼ってもいい…?


裏切らない…?


壊れない…?


「私……」


怖いよ。


また失うのが怖い。


だからはじめから手に入れたくない。


ぎゅ…っ


萌音の手が優しく私の手を包み込んでくれた。


「私たちはずっと花純の友だちだよ。絶対に」