何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

「はい」


横から差し出された水色のハンカチ。


驚いて顔を上げると、蒼空がニコニコ笑顔を向けてくれていた。


その笑顔を見た瞬間、張り詰めていたの糸が切れたように、心が安堵でいっぱいになる。  


「今日は持ってきた。よかったら使って」


「ありがとう…っ。でも、大丈夫だよ」


「そんな顔して言われても説得力ないって」


だめ。


優しくしないで…。


そんなふうに笑わないで…。


「あ!蒼空が花純ちゃん泣かせた!」


私の前の席の子が、大きな声で言った。


クラス中の視線が私たちに突き刺さる。


「蒼空サイテー!花純ちゃんに何したの?」


「いやっ、ちが―」


蒼空が悪者になっちゃう―。


「紬にイタズラしようと思って準備してた、メンソール塗りたくったハンカチ貸しちゃってさ。スースーして涙止まんなくなったらしい。まじごめんなー」


ヘヘヘッ!とおどけて笑う蒼空。