おじいちゃんの車で1番近い病院に運んでもらい、蒼空の意識は1時間ほどで回復した。
今はお医者さんが診察していて私は病室の外で待たされている。
蒼空の記憶は戻ったんだろうか。
倒れる直前、日和ちゃんの名前を呼んでいた。
あの夜、星に願った記憶も戻ってしまったのかな…。
―ガラっ…
病室からお医者さんが出てきた。
目が合うと、軽く会釈をして入室を促してくれた。
おばあちゃんに背中を支えられ、中に入る。
「蒼空…?蒼空、わかる…?」
ゆっくり、ゆっくり、蒼空へ近づく。
上体を起こして両腕を差し出してくれる蒼空。
私のことをちゃんと認識してくれているんだ。
「花純…」
ぎゅっ……
温かい腕に迎えられ、そのまま身を委ねる。
「蒼空…」
抱きしめる力がいっそう強まる。
「ずっと花純のことが気がかりだった…」
「え……?」
「あの家から逃げてる時、村に残した花純のことが気がかりで、何度も戻ろうと思った」
…!!!
思い…出したんだ……。
すべてを…。
その時の感情まで、全部…。


