何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

「俺、森下さんの味噌汁好きでした?」


唐突に蒼空が尋ねた。


何かを思い出したような表情に、心臓がドクンと音を立てて暴れる。


「大好物だったよ。思い出したの?」


「いや…、なんていうか、そんな気がしただけです」


思い出したわけではない。


だけど確実に、着々と、記憶が戻りつつある。


怖い。


蒼空と一緒に記憶を取り戻す手伝いをすると決めたけれど、その時が近づいているのが怖い…。


本当に蒼空は大丈夫なんだろうか…。


「きっとそういう感覚の繰り返しで記憶が戻っていくんだと思うよ。だから焦らなくていいからね」


「ありがとうございます」


他人行儀だなぁと笑うおじいちゃんと、それをたしなめるおばあちゃん。


妙に居心地悪そうで、でもいつもよりニコニコしている蒼空。


変な空気なのに、嫌じゃない。


こうして4人で食卓を囲んだ昔に戻った気分で嬉しかったりもする。


「さっ、早く食べちゃいましょ」


こうしておばあちゃんが急かすのも昔のよう。


懐かしい。


今度は他人行儀じゃない蒼空と一緒に食卓を囲めたらいいな…。