何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

抱きしめるのをやめて、両手を私の両肩に乗せる。


真っ直ぐな視線が怖い。


蒼空はどこまでも突き進んでしまう…。


「蒼空は私のことなんて何も覚えてないじゃない!私たちの想い出を何も知らないし、感情だって覚えてないでしょ!もう私にこだわらないでよ!」


「…っ、覚えてないよ。そうだよ、俺は何も覚えてない。花純をどれだけ好きでいたのかも、愛していたのかも、何もかも分からない!でも、俺は花純を失いたくない!そばにいてほしい!そう思う気持ちに理由なんかいらないだろ!」


だんだん蒼空の語調が強くなっていく。


肩を掴む指先から熱が伝わってくる。


「俺は花純が何を言おうと、この村を歩き回って記憶の断片をかき集める。止めてもムダだ」


「やめて!お願いだから、もう東京に帰ろう?ねぇ、蒼空、お願い」


蒼空は首を振って立ち上がる。


「待って!お願い」


手を掴んで引き止めても、蒼空は座り直してはくれなかった。