何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

もう、誤魔化しきれない。


だけど、認めたくない。


「俺は、どんな過去からも逃げない。記憶も、花純も、絶対に取り戻したい」


蒼空が濁りない真っ直ぐに澄んだ瞳で私を見つめて離さない。


「花純に拒絶された日、気づいた。花純だけは失いたくないんだって。花純との想い出を絶対に取り戻したいんだ。花純との想い出を取り戻すためなら、どんな過去でも思い出したい」


蒼空の手が私の手に重なる。


「だ…ダメだよ。そんなのダメ。私なんかのために蒼空が傷つくのは嫌だ」


思い出さないほうがいい記憶もある。


封じ込めておいたほうがずっと幸せにいられる。


「花純“なんか”じゃない。そんなふうに言うな」


…蒼空……?


真剣に怒る蒼空の姿に、昔の蒼空が重なる。


秘密の滝で怒ってくれた時のような姿が…。


「俺は絶対に花純を手放さない。何年、何十年先も一緒にいたい」


「…っ!!」


ぎゅ…っと蒼空の手のぬくもりを感じる。


「そのために思い出すんだよ。花純と一緒に生きるために。花純を幸せにするために」


「…っ、でもそれは…っ」


グッと引き寄せられ、蒼空の体温を全身に感じる。


大好きだったハグ。


今こんな形でもう一度されるなんて。


「私は…っ!」


そんなこと望んでいない。


力の限り蒼空を突き放し、距離を取る。


それでも離してくれなかった。


もう一度抱き寄せられ、今度は強く抱きしめられる。


「蒼空はわかってない…っ。思い出すことがどんなに苦しいことか…。覚えてないからそんなふうに言えるんだよ…っ」