何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

「…これを見つけた」


蒼空が机に紙切れを置いた。


新聞記事の切り抜きだ。


恐る恐る手を伸ばす。


「こんなの、どこで…」


声が震える。


蒼空が失われた記憶に迫ろうとしている。


【殺人未遂 茅野亮太逮捕】


そう見出しが付けられた記事の本文には、実名は出ていないけれど日和ちゃんのこと、蒼空のことが書いてある。


この前千花さんから聞いた内容と一致している。


「この記事を千花さんに見せたら明らかに動揺してた。だから、きっとここに書いてある長男っていうのは俺なんだろ。そして俺には妹がいる。それも、父親に殺されかけた」


……っ。


知ってしまったんだ。


隠していた事実を…。


思い出してほしくない現実を、取り戻そうとしている。


「この記事にこの村の名前が載ってた。だから今日ここに来た。ここに来て、俺の知り合いがいればこの記事は間違いなく俺のことなんだろうなって、確かめに来た」


…そして、律が蒼空に声をかけた。


その時蒼空は確信したんだ。


この記事が自分のことだと。


自分が虐待されていたことを。


そして、私や千花さん、真中さんが隠したがっていたことを。