のどかな田舎景色がゆったりと通り過ぎて行く。
青々と生い茂る木々の間を通り抜けて、あの村へ近づいていく。
見慣れた海が見えてきた。
水面に赤い太陽が半分だけ姿を映している。
もうすぐ、駅に着く。
大好きだったあの村に…。
大嫌いになったあの村に…。
もうすぐ大会が終わる頃だ。
舜くんとの約束…。
また、私は舜くんを傷つけるんだ。
「はぁ…」
とことん自分が嫌になる。
【ごめんなさい。急用ができたので帰ります。本当にごめんなさい】
さっきまで未読だったメッセージに、既読がついている。
試合が終わったんだろう。
ろくに見てもいなかった私がかけられる労いの言葉なんてない。
【昼休憩のとき、友坂から聞いたよ。桐谷が大変な状態なんだってね。俺のことは気にしなくていいからね】
私がどんなに彼を無下にしても、彼は変わらず私に優しくしてくれる。
今はその優しさが痛い。
自分はなんて最低な人間なんだろう、自分勝手な人間なんだろう。
【本当にごめんなさい】


