何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

あの村の何かに触れたら、過去の話を聞いたら、それが引き金となって雪崩が起きる。


図書室でのたうち回って頭痛に苦しんでいた蒼空の姿が蘇る。


あんなもんじゃ済まないかもしれない。


『なに、やっぱアイツ俺のこと忘れてんのかな』


「ねぇ、律は今どこにいるの?」


『俺は森下さんの畑だけど。蒼空のことは森下のばあちゃんが見てくれてるよ』


おばあちゃんが…。


おばあちゃんはどこまで知っているんだろう。


あの夏茅野家に起きたことを…。


子どもの私たちには知らされていなかったけど、大人同士は知っていたのかもしれない。


知っていて、私たちには隠していたのかもしれない。


「この電話、今すぐおばあちゃんに代われる?」


『わかった。ちょっと待ってて』


電話の向こうからガサゴソ、ドタバタ、律が動くのが聞こえる。


その間に私も走るスピードを上げ、駅までの道を急ぐ。