何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

「そんなんじゃ赤嶺、ショック受けるよ?」


「そうだよね…。わかってるんだけどさ。なんか…集中できなくて」


蒼空のことを考えているわけではない。


ただずっと、ボーっとしてしまう。


何を考えるでもなく…。


虚無。


蒼空を失った中3の夏に似ている。


何も手につかなかったあの時の感覚に近い。


食欲はあるし、前を向こうという意思もあるんだけど、心だけがついていかない。


「2試合目は―」


―ブブブッブブブッ


ポケットの中のスマホが音を立てて震える。


私に連絡をくれるのは奏か舜くんか蒼空だけ。


奏と舜くんはスマホを触っていないし、蒼空の連絡先はブロックしているから着信が来るはずがない。


誰だろう。


「ごめん、ちょっと」


スマホを確認すると、【冴島律】の文字。


「え、律…?」


卒業以来連絡を取っていない律からの電話。


嫌な予感が胸をよぎる。