何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

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楽しみにしていた舜くんの大会がようやくやって来た。


テストも終わり、蒼空との関係も終わった。


あとは前を向いて生きていくだけ。


もう振り返らないと決めた。


蒼空のことは忘れると誓った。


「花純!来てくれてありがとう」


試合開始の少し前、わざわざの観客席に上がってきてくれて舜くん。


周囲の女子たちがきゃあきゃあ騒ぎ始める。


うちの学校の女子も、他校の女子も。


“あの人かっこいい”“話してる人は彼女なのかな”

“赤嶺先輩かっこいい”“赤嶺先輩ー!”


いろんな声が聞こえてくる。


けれど舜くんはそんな声には反応もせず、じっと私のことだけを見てくれる。


「今日、試合が終わったら話したいことがある」


「話したいこと?」


「うん。だから、最後まで待っててくんない?」


「わかった。試合がんばってね」


「さんきゅ」


ちょうどその時、アリーナから舜くんを呼ぶ仲間の声がした。


「じゃ、またあとで」


「うん」


手を振りながらアリーナへ戻っていく舜くんの背中には、何人もの黄色い歓声が届いているだろう。


だけど彼は見向きもしなかった。