何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

「桐谷くんと、話さなくていいの?」


奏が小声で余計なことを言う。


「…いいって」


「そっか…」


奏にはすべてを話している。


私の決意も聞いてもらった。


“よく決断したね” 


そう背中を擦ってくれた。


「花純」


蒼空が目の前に立ち塞がった。


再会した時とは全然違う、真っ直ぐで覇気のある視線に曝される。


“何年、何十年先も、一緒にいよう”


あの時の光景がフラッシュバックする。


桜の蕾が膨らみ始め、温かな風が吹き抜ける春。


春の匂いがするねと微笑んだ蒼空。


「なんで急に態度が変わったのか教えてほしい」


もう、一緒にはいられない。


思い出してほしくない。


幸せに生きて。


「だから、言ったじゃん。知らない女の人と歩いてるのを見たって」


「紬か千花さんしか一緒に歩かない。本当にそれを見たんなら、人違いだ」


「そんなの言われたって知らない」


「他の理由があるんだろ?記憶のせい?」


蒼空がここまで食い下がってくるのは意外だった。


私にそんなに執着してくれるなんて。