約束の週末は静かに過ぎ去り、期末テスト週間が始まった。


蒼空と村に帰る予定だった週末は、勉強詰めに終わってしまった。


寂しさと虚しさを埋めるために勉強し続けたおかげか、母の機嫌が良かったのがせめてもの救いだ。


テストを乗り越えれば舜くんの大会がある。


それを楽しみに頑張るしかない。


初日のテストは何事もなく終わった。


勉強した甲斐あって、ほとんど解けたような気がする。


「花純〜、ここの問題、答えどれ?」


「これは(ア)だね」


「うわまじか、(イ)選んじゃったよー」


奏と恒例の答え合わせ会を済ませ、帰ろうとカバンを持ったとき、じっと見られている視線に気がついた。


視線の主は蒼空だ。


あれから一度も喋っていないし、目も合わせないようにしている。


…もう忘れてほしい。


私のことなんかなかったことにしてほしい。


私もそうするから。