何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

「蒼空のことは忘れることにしたの」


全部なかったことにする。


そのほうが幸せだから。


蒼空は何も思い出さなくていい。


私がすべて忘れたらいい。


「最近順調そうだったじゃん。なんでだよ?」


「言えない。でももういいの。ホントに」


「よくないから泣いてるんじゃないの?」


…相変わらず鋭いなぁ。


蒼空みたい。


やっぱり舜くんは蒼空と似ている。


こうやって慰めに来てくれるところとか…。


「もう蒼空のことは好きじゃないから」


「なんでそんな分かりやすい嘘つくんだよ」


「嘘じゃないよ」


願望。


好きじゃなくなりたいという、到底叶いそうもない願い。


「…それで納得してんの?俺は納得できないんだけど」


「…知らないよ。もういいじゃん。放っといてよ」


考えたくない。


忘れたい。


何もかも忘れてしまいたい。


幸せだった記憶だって、消えてしまってかまわない。


あの頃の思い出なんて、なくなってしまったほうがマシだ。