何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

蒼空はお弁当を持ってきているみたいだけど、私はお弁当がない。


母親はお弁当を作ってくれたことがない。


遠足や運動会の時でさえ菓子パンやゼリー飲料。


おばあちゃんの家に引っ越してお弁当を作ってもらえるようになったときはすごく嬉しかった。


愛情のこもったご飯を食べられる幸せを感じた。


蒼空も同じかもしれない。


中学時代はずっと菓子パンだったけど、千花さんに保護されてからはお弁当。


過去のことは覚えていなくても、喜びは感じているよね。


購買から中庭へ移動する。


「中庭でご飯食べるの初めてだ」


木陰のベンチに並んで腰を下ろす。


「自然に囲まれてる場所だと、なんとなく落ち着く」


「蒼空が育った村も自然豊かだったからかな。蒼空は、人が少なくて静かな場所を好んでたよ。今と同じじゃない?」


秘密の滝も、告白し合った高台も、図書室もそう。


「俺のこの静かなところが好きな性格は昔からだったんだ」


感心したような顔をしてお弁当箱を開ける。