何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

記憶が戻ったとき、それはどれだけ傷つくだろう。


それでも…、蒼空が記憶を取り戻したい気持ちは尊重したいし、私だって幸せだった日々を思い出して欲しい気持ちは同じだ。


【今週の土日、蒼空のルーツに帰らない?一緒に】


あの村へ戻れば、何か思い出すかもしれない。


ツラかった記憶も戻ってしまうかもしれない。


でも、蒼空が蒼空でいられるためには、必要なんだと思う。


少なくとも蒼空はそれを望んでいる。


【俺のルーツって?】


【蒼空が生まれ育った村。私と蒼空が出逢った場所】


私もあの村へ帰りたい。


一緒に戻ろう、蒼空。


想い出の詰まったあの場所へ。


【わかった。行く。紬と千花さんには秘密にしとく】


【了解。すごい遠いけど大丈夫?】


【たぶん。花純こそ大丈夫?テスト勉強とか】


【平気だよ】


もう、どうでもいい。


次のテストなんて赤点でもいいや。


親に従い続けてるなんてバカみたい。


【思い出せるといいな】


【思い出せるよ、きっと。大丈夫】


強い感情は記憶を失っても残り続けることは、蒼空が証明してくれた。


だから大丈夫。