何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

「親に向かってなんて口きくの!」


「あんたなんか親じゃない!!今さら母親ヅラしないで!!」


母が私に買い与えた英和辞典をドアへ投げつける。


バンッ!!


ドアの外が静かになった。


立ち去った気配はしない。


油断して私が出てきたところを捕まえるつもりなんだろう。


ほんと、嫌になる。


蒼空がいないあの村が嫌でこっちに戻ってきたけど、やっぱり親とは上手く行かない。


私の居場所はあの村だけだ。


「戻りたい…」


スマホを手繰り寄せ、蒼空の連絡先を開く。


【トーク】【音声通話】【ビデオ通話】


昔は気軽に押せた画面も、今は押せない。


蒼空の声が聞きたい。


でも私は彼女じゃない。


気軽に電話なんてかけられない。


連絡だってできない。


「はぁ…」


戻りたいな…。


戻りたい…。


萌音や真由、律たちとまた集まりたい。


おばあちゃんの家で、一家団欒のような時を過ごしたい。