何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

アイコンは初期設定のままだ。


蒼空らしくない。


蒼空は自分で撮った写真をアイコンにして、2〜3ヶ月ごとに変えていくタイプだった。


駅から撮った海の写真、秘密の滝の写真、私とのツーショット写真。


今のスマホのアルバムには、その写真はもうないんだろうな…。


「このアイコン…どこの写真?」


「私たちが過ごした村。この写真、撮ったのは蒼空だよ」


一緒に星を見たあの日。


蒼空と過ごした最後の日。


満天の星を背景に、蒼空が撮ってくれた私の後ろ姿。


その日にすぐアイコンに設定して、蒼空を失ってからもずっと変えられずにいた。


このアイコンを消してしまえば、蒼空との想い出も消えてしまいそうだったから。


「……。頭痛くなってきた。ごめん、この話はやめよ」


「そっか…、そうだね」


思い出したくない何かがあるのかな…。


思い出してほしいと願うのは私のエゴ。


蒼空は思い出したくないのかもしれない。


「…無理して思い出そうとしなくていいからね」


本当は思い出してほしい。


私のことをもう一度愛してほしい。


「ううん。無理してでも思い出す。忘れちゃいけない大切な記憶だと思うから」


真っ直ぐなアーモンド色の瞳が美しい。


彼に恋に落ちた日と同じ、濁りがなく綺麗な目。


トゥクン…


心臓の高鳴りを感じる。


「あ…ありがとう。待ってるね」


蒼空は、うん、と頷きニコッと笑いかけてくれた。