何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

「…俺は、中3までの記憶がない。ある日気がついたら知らない人の家にいた。それよりも前のきとは何も思い出せなくて、自分の名前以外、誰の名前もわからなかった」


中3って、やっぱりあの夏祭りの日が関係してるんじゃ…?


あの日何があったのか。


今やもう誰にも分からない。


蒼空はあの村のすべてを失った。


キラキラした思い出も、共に流した涙も、笑顔も、何もかも。


あの夏祭りの日を境に。


「その、知らない人の家って?」


「母親の妹にあたる人」


「千花さん…」


千花さんが蒼空を保護した…?


だからあの日突然姿を消したの…?


「なんで森下さんがその名前を…」


「蒼空が教えてくれたんだよ。千花さんが経営するカフェで、たくさん話した」


「……。俺…やっぱり…」


蒼空が足を止めた。


「やっぱり……。…紬を信じすぎない方がいいってことかな」


何を言いかけたんだろう。


明らかに、思っていたことと違うことを言った素振りだった。