何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

「森下さん?」


蒼空が顔を覗き込んでくる。


「見ないで…」


泣いてるところなんて見られたら、また引かれるかもしれない…。


「ごめん、ハンカチとかティッシュとか持ってたら貸してあげられたんだけど…」


…っ!!!


それ…、そのセリフ…っ。


初対面の日に泣いてしまった私に言った言葉…。


変わってないんだね…。


蒼空は蒼空のままなんだ。


記憶がなくても、蒼空という人間は変わっていない。


「泣いてないからっ。行こ!」


蒼空との時間を楽しまなきゃ。


泣いてる場合じゃない。


「この前、私たちが帰ったあと、真中さんとどういう話したの?」


あの時、蒼空はどう感じたんだろう。


どっちの言い分を信じてるんだろう。


「中学時代、森下さんに何をされたのかとか」


「……。それ、信じてる?」


蒼空は黙って歩き続ける。


少しの沈黙が、とてつもなく長い。