何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

「桐谷と進展があったんだろ?よかったじゃん」


「…あの―」


「校舎案内した日から、なんとなく思ってた。桐谷は自分でも気づいてないけど花純のことが好きなんだなって」


え…?


あの日から…?


あの日、私は蒼空に拒絶された。


覚えてないってキッパリ切り捨てられた。


「…さすがに、それは気のせいだよ」


「俺が花純の髪に触れたとき、反射的に俺の手を振り払ったの、覚えてない?あんなん、花純のことが好きって言ってるようなもんじゃん」


「……」


そっか…。


あの時から既に蒼空の心は私を…?


本人は私を覚えてなかったけど、心の奥底に私はいた…?


「俺は、いつか桐谷は花純を思い出すだろうなって思ってた。もしその時が来たら潔く身を引くつもりで、その上で花純のそばにいた。期間限定だけど、じゅうぶん幸せだった」


「舜くん…、あの、ほんとに、ごめんなさい」


「なんで謝るんだよ。俺は花純に幸せをたくさんもらった。だから今度は花純が幸せを掴む番だよ」


なんて、優しい人なんだろう。


私はそんな人を都合よく利用してしまった。


「ごめんなさい」


「それは俺のセリフ。花純の優しさを利用して、カップルの真似事に付き合わせた。ごめん」


「そんなことない!私はそんなふうに捉えてないよ。舜くんと仲良くなれて、嬉しかった。毎日が楽しかった。ありがとう」


ニコッと笑う舜くんは、その笑顔の裏に傷ついた心を隠していて、昔の蒼空とリンクする。


「放課後、いつも俺のこと待っててくれたけど、今日からは桐谷のための時間に使ってよ。 試合前だから練習長くなるし」


「……ごめんね…」


「謝りすぎだって。あ、もしかして罰金払いたいの?」


慌てて首を横に振ると、今度は心からの笑みを見せてくれた。


「桐谷にフラレたら俺のとこ来てよ。いつでも慰める準備してるから」


「本当に、ありがとう」


「こちらこそだよ。これからも仲のいい友達でいてくれたら嬉しいな」


「私も、そうしてくれたら嬉しい」


いえぇーい、とグータッチを求めてくる舜くん。


コツンっと拳かぶつかり、そして弾けた。