「俺は別に、森下さんと付き合ってた気がするとは一言も言ってない」
「話反らさないでよ」
「反らしてない」
蒼空と真中さんの喧嘩を目の前で見るのはこれで2回目だ。
でも、あの時とは何もかもが違う。
蒼空は真中さんを疑ってるし、真中さんは蒼空を自分の思い通りに動かそうと躍起になっている。
蒼空が今まで私に冷たかった理由も、昨日私への態度が軟化した理由も、わかった。
蒼空の中心には真中さんがいる。
真中さんは、記憶がないのを良いことに蒼空が自分と付き合っていることにしたがっている。
そんなの、許されるはずがない。
「付き合ってたのは私だよ。記憶喪失を利用して蒼空を自分のものにするなんて、許されない」
「だから、あんたは黙っててって言ってるでしょ!?」
黙ってられるわけない。
最愛の人が、かつてのライバルに騙されているのに。
蒼空もいい加減目を覚ましてよ…。
「俺、やっぱり森下さんと付き合ってたの?」
「やっぱりって何よ!記憶でもあんの!?ねぇ。付き合いの浅いあんな女に騙されないでよ!!」
「記憶はない。でも、紬との記憶だってないから」
「…っ。紬、ずっと蒼空のそばにいたのに。忘れちゃった?ずっとサポートしてきたのに」
「それは…感謝してるよ」
「なのに紬を疑うの?中1から付き合ってる人に、忘れられた気持ち分かる…?わかんないよね…。ずっと苦しかった。でも、そばにいる決断をした。ツラくても蒼空から離れなかった。それなのに、紬を信じず、森下さんを信じるの…?今まで、蒼空のことなんて支えようともしなかったのに?」
演技まで上手くなっちゃって。
演技で涙流せるんだ。
バカみたい。
「そういうつもりじゃ…。ごめん…。紬には感謝してもしきれない。ありがとう。疑ってごめん」
そんな女にコロッと騙されるなんて、本当に、バカみたい。
「これでわかってくれた?蒼空の恋人は紬だよ」
蒼空は答えなかった。
瞳が揺れている。
「じゃ、森下さん。帰ってくれる?また嫌がらせされたら怖いもん」
「だから、嫌がらせなんて―」
「バイバーイ、もう来なくていいから」
強引に背中を押され、廊下に突き飛ばされる。
ピシャッと扉が閉まり、蒼空の姿は見えなくなってしまった。
「話反らさないでよ」
「反らしてない」
蒼空と真中さんの喧嘩を目の前で見るのはこれで2回目だ。
でも、あの時とは何もかもが違う。
蒼空は真中さんを疑ってるし、真中さんは蒼空を自分の思い通りに動かそうと躍起になっている。
蒼空が今まで私に冷たかった理由も、昨日私への態度が軟化した理由も、わかった。
蒼空の中心には真中さんがいる。
真中さんは、記憶がないのを良いことに蒼空が自分と付き合っていることにしたがっている。
そんなの、許されるはずがない。
「付き合ってたのは私だよ。記憶喪失を利用して蒼空を自分のものにするなんて、許されない」
「だから、あんたは黙っててって言ってるでしょ!?」
黙ってられるわけない。
最愛の人が、かつてのライバルに騙されているのに。
蒼空もいい加減目を覚ましてよ…。
「俺、やっぱり森下さんと付き合ってたの?」
「やっぱりって何よ!記憶でもあんの!?ねぇ。付き合いの浅いあんな女に騙されないでよ!!」
「記憶はない。でも、紬との記憶だってないから」
「…っ。紬、ずっと蒼空のそばにいたのに。忘れちゃった?ずっとサポートしてきたのに」
「それは…感謝してるよ」
「なのに紬を疑うの?中1から付き合ってる人に、忘れられた気持ち分かる…?わかんないよね…。ずっと苦しかった。でも、そばにいる決断をした。ツラくても蒼空から離れなかった。それなのに、紬を信じず、森下さんを信じるの…?今まで、蒼空のことなんて支えようともしなかったのに?」
演技まで上手くなっちゃって。
演技で涙流せるんだ。
バカみたい。
「そういうつもりじゃ…。ごめん…。紬には感謝してもしきれない。ありがとう。疑ってごめん」
そんな女にコロッと騙されるなんて、本当に、バカみたい。
「これでわかってくれた?蒼空の恋人は紬だよ」
蒼空は答えなかった。
瞳が揺れている。
「じゃ、森下さん。帰ってくれる?また嫌がらせされたら怖いもん」
「だから、嫌がらせなんて―」
「バイバーイ、もう来なくていいから」
強引に背中を押され、廊下に突き飛ばされる。
ピシャッと扉が閉まり、蒼空の姿は見えなくなってしまった。


