何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)

思い出せないな…。


赤嶺くんが覚えてるってことは関わりはあったはずなんだけどな。


「俺があの中学にいたのは中1の1学期だけだし」


「そうなんだ。じゃあどうして私のこと…?」


「森下が俺を助けてくれたから」


え…?


私が赤嶺くんを?


赤嶺くんは過去を懐かしむように、目を細める。


「あの頃の俺は母子家庭で、生活も余裕があったわけじゃなかったから、見た目とか持ち物のせいでいじめられてたわけ。んで、その現場を見た森下が止めてくれた」


「あっ!思い出したかも」


男子1人が廊下で大勢の男女に囲まれていじめられている雰囲気で、その中に杏もいたから声をかけたんだよね。


その頃はまだ杏とは仲が良かったから、気兼ねなく“やめなよ”って言えたんだ。


「そっか、あの時の男子、赤嶺くんだったんだ」


今とは雰囲気が違うから、全然ピンとこなかったな。


「そう。その後も廊下ですれ違う度に俺のことを気にかけてくれてさ。嬉しかったなー。だから森下のこと、好きになったんだよ」