それと、



『空野くん、これ食べて!』

『あ、ずるいあたしのも食べてほしい!』

『ありがとう。調理実習、クッキー作ったんだ。ふたりとも、とっても上手だね。あとで食べるね』

『空野王子、今日も素敵です!』

『ありがとう』



なぜか、やたらと女子にモテた。



『空野王子見て!新しいネックレス買ったの!』

『可愛いね、似合ってるよ』

『ほんと!可愛い?』

『うん』



気がつくと“空野王子”といつの間にか呼ばれるようになっていて、毎日、毎日、女の子が他のクラスからも僕に会いにくるようになっていた。