「あのね、私…今日から5日間、放課後補習なの……」

「あちゃー、それはため息も出るわ……」




遊ばれたポニーテールを、きゅっと整えながら蒼くんにため息の原因を伝えれば、後ろの席に両腕をつきながら蒼くんは眉根を寄せた。

嫌だと言いたげな表情。
そうだよね、やっぱり、嫌だよね。

補習が好きな人なんていないよね。と自分の気持ちが間違っていなかったことを蒼くんの表情から察する。




「おーい、蒼!!部活行くぞー」

「おー、いま行くー!」




と、教室の後ろから蒼くんを呼ぶ声。それに答える蒼くん。

声のほうに目を向ければ、他クラスのサッカー部の男の子たちが数人。

短髪でツンツン黒髪。いかにもスポーツマンな蒼くんはサッカー部だ。