え。駄目。やだ。ちょっと、待って待って……! これって若返った団長ってば、完全に私の恋愛守備範囲内なんですけどー……というか、完全にど真ん中です。

 私の目の黒目部分、♡型になってない? 何分その原因となる目の前の人には恥ずかしくて確認出来ないから、多分なってるかもなーって感じでしかないんだけど!

 騎士らしく凛々しく整った顔立ちに、照れくさそうな可愛らしい微笑みを浮かべて頂きまして、本当にありがとうございます。全人類を代表しましてお礼を言いたいと思います!

「あのっ……あのですね! 団長……?」

 優しくて頼りになるおじ様枠から、完全に恋愛対象者になってしまった騎士団長にあわわわと慌てつつ、これは聖女の祝福について彼に話さねばと勢い込んで声を出した時。

 なぜか私の身体は力なくくらりと傾いで、団長の身体の上へと落ちてしまった。