勝手に焦って走り何もない地面でこけて受け止めてくれようとした団長の唇を奪い、そのまま気絶してしまうというとんでもないやらかしをした私は、意識を失う前の自分の行いを思い出して呆然とした。なんてことしたの。

 慌てて口早な片言になってしまった私の言葉を聞いて、困ったように微笑んだので、やっぱりこれは……あのイケオジ団長が若返った姿なのだ。

 若返る前だって際立って容姿が良い人だったけど、こうして若返ってしまうと破壊力がとても凄い。

 物憂げな雰囲気がある美男で、どう形容して良いか迷うくらい格好良い。きらめく金髪の前髪だけ少し長いのも、なんだか私得過ぎて。

「聖女様。身体などには、特に異常はありませんか?」

「ありません……本当にごめんなさい。団長。私とキスしてまさか、こんな風に若返ってしまうなんて……」

 私は手を合わせて謝り、彼は顎に手を当てて頷いた。

「……おそらく、キスをすると若返りをする能力が聖女様に与えられた『祝福』のようですね。しかし、これは誰にも言わない方が良いように思います」

「え? けど、それでは団長は……」