世界で一番好きな人

そんなことは恥ずかしくて言えるわけもなく、繋がれた手をぎゅっと握った。





千瑛と付き合ってから、一ヶ月が経った。


毎日一緒に帰ったり、たまに放課後デートをしたりと、なかなか順調だ。



「茉莉花、一緒に帰ろ…って、そういえば今日で一ヶ月だっけ?千瑛くんと帰るの?」


「うん!…って言っても、多分千瑛は記念日とか覚えてないと思うけど。そういうの疎そうだし…」



自分から「今日で一ヶ月だね」と言うのも、記念日を気にしているめんどくさい女って思われそうで嫌だ。



「まあ、たしかに。…って、噂をすれば彼氏だよ」


「んだよ、噂って」



怪訝な顔をしている千瑛に「なんでもない」と言って曖昧に返す。



「今日、寄りたいとこあんだけどいい?」