世界で一番好きな人

…それでも帰り道電話しよう。何度でも、私は好きって伝えよう。



「…え、どうして…」



教室に戻ると、私の席に千瑛が座って待っていた。


もう終礼から二時間は経っているのに、ずっと待っていてくれたの…?



「…どうしてって、付き合ってるんだから一緒に帰るだろ」


「でも、千瑛今日ずっと怒ってたじゃん…。もう私と付き合うの嫌だ、とか思われてたらどうしようって思ってて…」


「はあ?そんなこと思うわけないだろ。クラスの奴らが面白がってたのがムカついたんだよ。俺は真剣に付き合ってんだから。本気なのに、馬鹿にされた気がしたんだよ」



…千瑛がそんなことを思ってくれていたなんて、知らなかった。



「じゃあもう怒ってない…?」


「怒ってないよ。てか、最初から茉莉花には怒ってないし」