世界で一番好きな人

子供みたいに目を輝かせて身を乗り出してきた先生は、どうやら恋バナが好きみたいだ。



「んー…明るくていつもみんなの中心にいて、笑顔が眩しい人、かな…」


「ふふっ、その人のこと、大好きなのね。一条さんの顔が語ってるわ」


「え」



思い浮かぶのは、私の大好きな千瑛の笑った顔。


…なんだか無性に千瑛に会いたくなってきたな。



「クッキーとお茶、ごちそうさまでした。私、そろそろ帰りますね」


「ええ、こちらこそありがとう。一条さんと話すの楽しかったわ、またいつでも遊びに来てね」


「はい!」



千瑛はもしかしたらまだ怒ってるかもしれない。


もう私と付き合うことが嫌になってしまったかもしれない。