世界で一番好きな人

「柊ちゃん、なんだって?」



なんとなくわかったけど、あえて知らないふりをして聞く。



「柊、今こっちに帰ってきてるんだって…!だから、早く家に帰っておいで、って…」


「そっか。じゃあ早く帰ってあげないとね」



瑚子はさっきまでの落ち込みが嘘かのように、明るく笑った。


手を大きく振って帰る瑚子に私も笑顔で振り返す。



瑚子の左手薬指では、柊ちゃんとお揃いの指輪が光っていた。





夜ご飯の支度もお風呂も沸かし終わり、千瑛が帰ってくるのを待っていると鍵が開く音がした。



「茉莉花ー!茉莉花!大丈夫か!?何もされてないか!?」


「え…?な、なに…?」