世界で一番好きな人

「え、そんなこと言ってるの?」


「ふふっ、そうだよ。強がってるふりして、本当は誰よりも寂しがり屋なんだから。早く会いに行ってあげて」


「…うん。また後日、お土産渡しに行くね。千瑛にも会いたいし」


「おっけー伝えとくね」



柊ちゃんと手を振ってわかれ、おなかを撫でながら家までの道をゆっくりと歩く。



千瑛と付き合ってから、あっという間に十年目のクリスマスが来た。


この十年間本当に幸せで、今では新しい家族も一人増えた。



ずっとずっと、この幸せが続くといいな…。



「…え?瑚子?」


「あれ、茉莉花出かけてたの?ちょうどいいところに」



瑚子がちょうど私の家のインターホンを押そうとしていたところだった。