世界で一番好きな人

「あ、そうなんだ」



柊ちゃんは今、色々な貧しい国を飛び回って教師をしている。


日本にいるよりも海外にいる方が多いくらいだ。



「本当に送るのここまでで大丈夫?家まで送るのに」


「ううん、平気!柊ちゃんの家あっちでしょ。ここまででいいよ」



実は柊ちゃんたちの家もご近所だったりする。



「でも…」


「クリスマスに帰ってきたってことは、会いに行くんじゃないの?柊ちゃんの最愛のひ、と、に!」



茶化すと柊ちゃんは顔を赤くして、私の頭を無言でぐしゃぐしゃにしてきた。



「早く会いに行ってあげなよ。きっと待ってるよ。ただでさえいつも全然会えなくて寂しいって言ってるんだから」