世界で一番好きな人

「あ、はい!柊ちゃんが助けてくれたから…」


「本当、茉莉花の危なっかしいとこ変わんないね。もう一人の体じゃないんだから、危ないことしないでよ?」


「千瑛くんが外に一人で出させたくない気持ちがわかったわ」


「ごめんなさい…。…って、柊ちゃんはいつの間に帰ってきてたの!?なんだっけ、えっと…とりあえず、長い名前のとこ行ってたよね!?」


「ついさっきだよ」



よく見るとたしかに柊ちゃんはキャリーケースを持っていた。



「大変、時間のこと忘れてたわ…!じゃあ茉莉花ちゃん、また連絡するわね!」


「あ、はい!また」



梓さんを見送ってから、柊ちゃんと歩く。



「帰国したの一年ぶり?二年ぶりだっけ?」


「実はちょいちょい帰ってきたりはしてたんだよね。いつも滞在してたのは三日とかだったから、茉莉花たちに会いに行けなかったんだけど」