「…もしかして、記憶戻って…?」


「違う…っ。違うの。記憶なんて最初から…」



その時初めて知った。


茉莉花がどんな思いで俺に別れを告げたのか。



俺は何もわかっていなかった。


好きな人が幸せなら隣にいるのは俺じゃなくていいなんて、そんなの嘘だ。


好きなら俺がこの手で幸せにしてやらなきゃダメなんだ。好きだから、一緒にいたいんだ。