一条茉莉花(いちじょうまりか)です!見ての通り、美少女やらせてもらってまーす!チャームポイントは、この頑張って腰まで伸ばした髪の毛です!よろしくお願いしまーす!」


一ノ瀬千瑛(いちのせちあき)です!見ての通り、世界一のイケメンでーす。チャームポイントは、このピアス。高校生なるしこの際にと開けた初めてのピアスは、死ぬほど痛かったので右耳しか開けてないでーす!よろしくお願いしまーす」



第一印象は、ノリのいい人だった。


若干滑り気味だった私たちの自己紹介は、緊張感が漂っていた教室の空気を変え、テンプレートのようにみんなが真似をして自己紹介をしていった。


私と千瑛は名前にお互い“一”の字が入っていたことから、クラスで“ナンバーワンコンビ”と呼ばれ出した。


学級委員長と副委員長もみんなの推薦で私たちが務めることになり、千瑛と仲良くなるのにそう時間はかからなかった。



「茉莉花ー。これ、俺とおまえでノート配っといてだってさ。でも俺、昼休みはサッカーしに行くって決めてるからやっといて?」



後ろから頭にずしっと体重をかけてきた千瑛が、クラス全員分の数学のノートを机に置いてきた。



「え、ちょっと、一緒にやってよ!サッカー行くとか知らないし!」


「悪りぃ、俺いないと盛り上がんねぇーの」