ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

美しき毒、さらに…/その4
麻衣



昨日、剣崎さんと会って、気が付いた

私としたことがうっかりしてたわ

あの花火の反響はまだ来る…

相和会からの出方がサプライズだったせいで、そっちばかりに気がまわってたから…

で、今日は最初に買い物をした

金物屋と薬局で

私のカンにしたがって…


...



その足でまずアツシと話をつけた

久美とはきっかり別れることを誓ってくれたよ

別に何のことはない

それで、コイツはこの後もいろいろと使えるんで…

今日、その種をまいておいた

猛毒入りのやつをね…(笑)

そういうことになる


...



さて…、これから、火の玉川原だ

その久美と一緒に、祥子と馬美に頭を下げることになってる

久美は浅はかなヤツだが、ずっと連れた私には責任がある

それに、なんだかんだ言っても、南玉連合への愛着は否定できないし…

刃根さんや亜咲さんにも、申し訳ない気持ちがあるから






「…今回は急に、勝手に南玉を出た私の責任だ。申し訳ないと思ってる。久美のことはどうか許してやってくらないか。この通りだよ…」

私は久美と並んで南玉のアタマの一人、津波祥子と元レッドドッグッスの高滝馬美に頭を下げた

1年前…、私はこの二人にタイマンを張らせ、結果、馬美はドッグスを去った

そこに、裏でかかわっていたのが北田久美だ

当然、導いたのは私になるが、馬美は久美を恨んだ

久美の性根を見抜いていた馬美は、いずれドッグスと南玉連合のメンバーにも災いをもたらすことを私や祥子に警告していたよ

この夏に私が南玉を抜けたあと、後ろ足で砂をけるようにして久美も離脱し、南玉にケンカを売った

まさに、馬美の予期した通りになった訳だ


...



「…久美には例の相和会のチンピラと別れさせたよ。こいつもヤツにいろいろ吹き込まれたこともあるし、心を入れ替えると言ってる。もう一度だけ、久美のこと信じてやってくれないか」

すると、バイクの横に立ち、腕組みしながら聞いていた祥子が、まず口を開いた

「麻衣、もうアタマ上げろよ。なあ…」

「いや、二人が許してくれるまでダメだ。頼む…」

隣の久美はもう泣きじゃくって、私と競うかのように、深々と頭を下げ続けてる


...


「…。なあ、馬美、どうだ?麻衣がここまでなんだ。私はこれで収めてもいいと思うが」

ここで沈黙し、その間、穏やかな川のせせらぎが耳に届いていた

やがて、馬美が言葉を発した

「わかった。麻衣にここまでされたんじゃな…。祥子、私は外部のモンだし権限はないから今後の対処はアンタに任せる。久美、今までのことは忘れるよ。さあ、頭あげなよ、もう…」

「わあ…、馬美!ありがとう、許してくれて…。本当にゴメンよ!」

ふう…、どうやら馬美が納得してくれたらしいや…

久美は馬美に抱き着いて号泣だ

相変わらず派手に泣くヤツだよ(苦笑)