ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

運命の急流/その13
麻衣



「あなたはいいの?ふたつ目…、本当にそれで」

「俺は承諾してるから、君が承諾するかどうかだよ」

「無理してるとかじゃないのね?」

「まったくないさ」

彼の答えは極めて明瞭だった

私の頭もだいたい整理がついた

ならば、どうしても確認しておきたいことがある…


...



「倉橋さん、もうひとつ聞いていい?」

「ああ…」

「あなたは組の方から、どういう使命できてるの?」

「…、ちょっと聞いてる意味がよくわからないな」

「あのね…、相和会にとったら、言ってみりゃ私は爆弾でしょ?何が何でも除去か不発処理しなきゃならない。で、ここでもう限界だよとなった。そこで、今日のは文字通り”最後通告”な訳よね…」

「ああ、そうだよ」

「でもその条件は、剣崎さんが私と倉橋さんのこと、立場をかけてトップに掛け合ってくれたんでしょ?」

「うん、そうだ」

「だとすればよ、目の前のあなたには、私を絶対に説得させる使命が託されてるわ。私が剣崎さんの立場なら、単なる交渉のニュアンスでは遣わさない。命に代えても承諾させて来い、無理ならお前に”責任”を取ってもらう。そう言うわ。だから教えて、倉橋さん…。あなたはどっちで来てるの?」

「上からは何が何でも説得だってことだ。だが、オレ自身は麻衣ちゃんの返事を聞くだけのつもりで来てる。君を説得どころか、交渉さえする気もないさ」

「倉橋さん!」

私はなぜか取り乱した

こんな自分、めったにないよ


...



「それじゃあ、子供の遣いじゃない。あなたがそんなの、おかしいって。私がどちらにも首を横に振ったら、あなた、殺されちゃうじゃないのよ!」

「かもな。だが、この前のくりかえしだ。君のことでは、腹をくくってる。とっくにな」

「ちょっと…」

この人、なんなのよ

イカレてるって

私と一緒だよ…