運命の急流/その9
麻衣
家裁に行ってきた翌日、花火がドンと上がった
その花火のリアクションが、間もなく届く
いつものカンだ
...
「麻衣、アンタに手紙。なんか切手貼ってないし、差出人の名前もないわ」
夕方、お母さんが私の部屋に手紙を持ってきた
何のことはない
決められた連絡方法での、”招待状”だ
私は着替えを済ませ、家を出た
行先はリッチネル
...
指定の部屋に入ると、ベッドにサングラスをかけたスーツ姿の倉橋さんが座っていた
「お待たせです」
「…」
「隣に座った方がいい?それとも立ったまま?」
「そこの椅子に座ってくれ。オレはここにいる。そんで話だ」
私は、窓から外が見渡せる椅子に腰を下ろした
目の前にはテーブルがある
そしてその上に、一冊の週刊誌が、あるページを開いた状態で置いてあった
「その記事はもう読んでいるな?」
「ええ…」
「いつ読んだ?」
「”発売日当日”。近くの本屋で立ち読みしたわ」
「…」
倉橋さんの声は低く、普段より音量は小さかった
麻衣
家裁に行ってきた翌日、花火がドンと上がった
その花火のリアクションが、間もなく届く
いつものカンだ
...
「麻衣、アンタに手紙。なんか切手貼ってないし、差出人の名前もないわ」
夕方、お母さんが私の部屋に手紙を持ってきた
何のことはない
決められた連絡方法での、”招待状”だ
私は着替えを済ませ、家を出た
行先はリッチネル
...
指定の部屋に入ると、ベッドにサングラスをかけたスーツ姿の倉橋さんが座っていた
「お待たせです」
「…」
「隣に座った方がいい?それとも立ったまま?」
「そこの椅子に座ってくれ。オレはここにいる。そんで話だ」
私は、窓から外が見渡せる椅子に腰を下ろした
目の前にはテーブルがある
そしてその上に、一冊の週刊誌が、あるページを開いた状態で置いてあった
「その記事はもう読んでいるな?」
「ええ…」
「いつ読んだ?」
「”発売日当日”。近くの本屋で立ち読みしたわ」
「…」
倉橋さんの声は低く、普段より音量は小さかった



