ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

運命の急流/その7
ケイコ



アキラがガチッと受け止めてくれた

一切の躊躇もなく

いや、ないわけはない

私に言葉を返してくれるまでの短い間

戸惑いとか不安とかが立ちはだかったんだよ

きっとさ…

でも、私のど真ん中をしっかりと理解してくれた

私の目を見つめていたアキラの気持ちも、スーッと心に届いたし

だから私も短く言葉を返した


...



「この靴、薫と絵美からもらったんだ」

私はおろしたてのジョギングシューズを指さした

「そう…、友情の証だね」

「うん…。アキラにもよろしくって」

アキラは二ニコニコして頷いてた

私はその場で足を上げ下げして見せた

ウォーミングアップでね

「ピンクのラインかわいいね」

アキラとはもっと一緒にいたいけど…

今日はここでお別れする


...


アキラの視線を背に受けてる

友情のズッシリ詰まったシューズで走ってる

そして、アキラと私を応援してくれる妹もいる

さあ、お父さんの帰国も間近かに控えた

私たちの乗った急流は、いよいよ激しさを増してきたわ