ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

勃発/その9
砂垣



「どういうことだ、それ…。砂さん」

ハハハ…、大場の奴、去年のこと、思い出してるな

あん時はヒールズで、バリカンの刑だったもんな

まあ、麻衣の野郎の怖さは肌で体験済だから、その辺は蘇我とはメンタリティーが違ってくるか…


...



「麻衣は、排赤×反排赤のフィールドを、ヤクザもんのパワーバランスとして利用されることには拒絶の姿勢なんだよ。まあ、俺はそう読んでる」

「それは、俺たちが星流会のバックから抜けろってことを要求してるってことになるのか?」

蘇我はこう見えて、頭の回転が速い

「いや、そこまでは求めていないっていうか、現実的に無理だってことを承知してるよ、麻衣はさ。だから、奴らの関与をギリギリのラインで俺たちがセーブし、コントロールする。あくまで、俺たちの戦いのフィールドをキープする。これが俺らに向けた麻衣のメッセージと解釈してるんだ」

「だが、そのギリギリってのが難しいな…。どこがそのラインって判断なんてできるのか?」

蘇我が突っ込んできた

つくづくいいフリだよ、お前…


...



「あのな、これは星流会側には絶対内密だぞ。あのバグジーにも知られちゃマズイ。いいか?」

「ああ…」

「麻衣はその”ギリギリ”を超えた局面で、手を放つと言っている。いわば、ここから先はNGよってサインが出るんだろう。それを俺らが見誤らず、その都度修正していけばいいと…」

「おい、砂さん、あんた麻衣と会ったのか」

ここで、俺は思いきって”明かす”ことにした

「まあな…。星流会からは、相和会関連のある人物と接触するように指示されていたんで、その流れの中で、麻衣が俺の動きに気付いてたんだろう。で、俺を”活用”できるとな…。実は、麻衣は諸星さんとも会ってるんだ。たぶん2回。そのうち最初は、俺が偶然を装ってセットした。ここでさ…。その時は3人で話したよ。ヤツは初対面で、諸星さんとも対等張ってた」

はは…、もう二人とも、きょとんとしてる

「その麻衣は、今では事実上、相和会幹部夫人の立場だ。麻衣の底知れ無さを知ってる俺には分かるよ。星流会の牽制くらい、訳ないってことをな…。だから、俺たちの見極めがしっかりしてりゃ、バックに飲み込まれねえで、”目的”を果たせる土俵が保てるってことだ。いいか…、俺たちはその麻衣を利用できるんだよ」

これで、大場も蘇我も納得って顔だわ