ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

運命の急流/その4
アキラ



夜遅く、赤子さんから電話がかかってきた

警察の件は薬物のことを除いて告げた

そして、”彼女”とは”順調”だと…

赤子さんは一安心してくれたらしく、いつも通りの手荒い話し方となった(苦笑)

「…まあアンタの要領の悪さは今に始まった訳じゃないけど、ここまでくると笑っちゃうわ。だけどこれからは、彼女を守んなきゃなんないんだ。きれいごとだけじゃな…。でもバイト、よかったじゃん。ピザ屋の帽子、似合いそうだし、アキラ…。アハハハ…」

やっぱり、今日も少しお酒入ってるようだ


...


「…でさ、来月、一度引き合わせるよ。バンドの代表と。私も立ち会うから、その上で話が進んだら事務所の関係者とね。最初の待遇はよくない。これは覚悟しといて。だから、ピザの方は長期で臨んでた方がいいかな」

「了解しました。お任せしますんで、どうかお願いします。それと…、赤子さんに選んでもらったギター、ちょっと壊れて…。だから、今度は新しいもんになります。すいません。もっと大事にしなきゃいけなかったんだけど…」

「ああ、そう。あれ、良かったよな。まあ、いいや。ところでタクヤ、アンタんとこ行ったか?」

「…一回だけ会いました。マッドハウスが解体されたの見にいったら、”偶然”…」

これ、正確には嘘が交じってる

「そうか。アイツ、タチの悪そうな連中、まあ相和会の関連だと思うけどさ、かなり追い込まれてる感じだったぞ。また聞きだけど、死んだ前会長の身内の娘とかってのに手をつけたとかって。はっきりは何ともだけど…。とにかくヤツ、ヤバいわ。アキラ、もうあんなのとは接触しちゃダメだからな」

タクヤについてはここで終わって、その後少し雑談して電話を切った

麻衣のヤツがタクヤをやりこんでいたのは警察の前だろうから、今は切れたと思うが…

しかしまあ、ギター壊したのもタクヤを貶めたのも麻衣だ

ふう…、何にしても、今だ麻衣の存在が毎日だ…


...



翌朝…

マジに、あり得ないって!

なんで、あんないい子が退学させられなきゃいけないんだよ!

薬物とかって言ったって…

麻衣と一括りされたんじゃ、あまりにかわいそうだって


...


今朝早く、ケイコちゃんから電話がかかってきたんだ

犬の散歩で家を出たからと…

今日、あらかじめ決めていた方法で、こっちから連絡を取ろうとしていたんだけど…

オレの方はバイトが決まったってこととか、告げるつもりだったから

とにかく、これから会ってくる