果てなく、妖しく…/その11
麻衣
「あのさ…、その前に、唐突だが、聞かせてくれるか?」
「うん、何?」
「お前、今妊娠してないか?」
「えー?してないよ。なんで?」
さすがにこの突飛な質問に、久美もこぼれ笑いして答えたわ
ならばだ、久美、お前の決意を図るぞ
「今、お前の付合ってる男、相和会のええと下の名前がアツシって奴だな?」
「…そう」
久美はまた神妙な顔に急変させて、短く答えた
...
「そいつ、去年の春、私たち4人が相和会に拉致られた時、お前を犯した男だったんじゃないか?」
「うん…」
「本気で好きなのか?」
「最近になって、本気になってきた感じだよ」
「そうか。だが、その男はダメだ。別れろ」
「え?あの…、でもなんで…?」
「何度か言ったと思うが、私は小さいころから勘が鋭くてさ。あいつはお前にとって良くない」
「でも…、急になんで…。それに向こうも簡単には納得してくれないと思う。あのね、時々暴力振るったり、怖いとこあるから…」
「だから、今のうちに切れるんだよ。先方へは、全く問題ない。5秒でカタが着く。わかるだろ?私が手を回せばそういうことだって」
「うん、そうだね。じゃあ、私からは話さなくていいの?」
「ああ、こっちで全部やる。ただ、相和会経由でやらせる前に、久美が一度会って、ああ、別れ話はしなくていいから。私に引き合わせる取持ちをしてくれ。事前にさ、こっちも”色”塗っとくこともあるから…」
「じゃあ、そういうことで決心するよ。ちょっと、彼のこと未練なくもないけど…」
「久美はかわいいんだ。普通になればモテるって。それに、真樹子さんはまだその気だぞ。なんなら”彼女”でもいいんじゃないか?」
久美はケタケタ笑ってるよ
泣いてたカラスが何とやらだ、はは…
...
「麻衣、もう決して裏切らないから。よろしく頼みます」
最後に久美は深く頭を下げた
「ああ、大福ありがとうな。家でお母さんと食べるよ。じゃあ、また連絡する」
私は逆髪神社を後にして帰路に就いた
...
ふー、今日は病院帰りの身にはハードすぎたな
でもこれで、まあだいたいか…
後はドカンっと一発花火が上がって、それで”方向”が決まる
仕込みはしてあるから、ボタン押すだけだし(笑)
倉橋さん、刺激的になってきたってば!
麻衣
「あのさ…、その前に、唐突だが、聞かせてくれるか?」
「うん、何?」
「お前、今妊娠してないか?」
「えー?してないよ。なんで?」
さすがにこの突飛な質問に、久美もこぼれ笑いして答えたわ
ならばだ、久美、お前の決意を図るぞ
「今、お前の付合ってる男、相和会のええと下の名前がアツシって奴だな?」
「…そう」
久美はまた神妙な顔に急変させて、短く答えた
...
「そいつ、去年の春、私たち4人が相和会に拉致られた時、お前を犯した男だったんじゃないか?」
「うん…」
「本気で好きなのか?」
「最近になって、本気になってきた感じだよ」
「そうか。だが、その男はダメだ。別れろ」
「え?あの…、でもなんで…?」
「何度か言ったと思うが、私は小さいころから勘が鋭くてさ。あいつはお前にとって良くない」
「でも…、急になんで…。それに向こうも簡単には納得してくれないと思う。あのね、時々暴力振るったり、怖いとこあるから…」
「だから、今のうちに切れるんだよ。先方へは、全く問題ない。5秒でカタが着く。わかるだろ?私が手を回せばそういうことだって」
「うん、そうだね。じゃあ、私からは話さなくていいの?」
「ああ、こっちで全部やる。ただ、相和会経由でやらせる前に、久美が一度会って、ああ、別れ話はしなくていいから。私に引き合わせる取持ちをしてくれ。事前にさ、こっちも”色”塗っとくこともあるから…」
「じゃあ、そういうことで決心するよ。ちょっと、彼のこと未練なくもないけど…」
「久美はかわいいんだ。普通になればモテるって。それに、真樹子さんはまだその気だぞ。なんなら”彼女”でもいいんじゃないか?」
久美はケタケタ笑ってるよ
泣いてたカラスが何とやらだ、はは…
...
「麻衣、もう決して裏切らないから。よろしく頼みます」
最後に久美は深く頭を下げた
「ああ、大福ありがとうな。家でお母さんと食べるよ。じゃあ、また連絡する」
私は逆髪神社を後にして帰路に就いた
...
ふー、今日は病院帰りの身にはハードすぎたな
でもこれで、まあだいたいか…
後はドカンっと一発花火が上がって、それで”方向”が決まる
仕込みはしてあるから、ボタン押すだけだし(笑)
倉橋さん、刺激的になってきたってば!



