ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

再び出会った道/その17
アキラ



ケイコちゃんは丁寧に説明してくれた

なるほどな…

ケイコちゃんが南玉連合に入ることになった去年の再編劇では、相和会会長の相馬さんが、麻衣の後ろ盾になっていたのは聞いてた

で、その際、砂垣って男を押していた星流会を排除しちゃったらしい

相馬さんの血縁を武器にした麻衣は、ヤクザもんの予備群である、愚連隊系の顔役だった砂垣をさんざん足蹴にして、その勢力を巧みに分捕ったってことだ

女性勢力の制圧を果たせず大恥をかいた砂垣は、丸裸にされ、麻衣に放逐されたと…

まったく、凄いことをやってのけたもんだよ、あの麻衣って子は

当時、高校に入ってまだ数か月の16歳だ

ふう…、信じられないよ、ホント



...



そして、麻衣の暴走を寸でのところで阻止したのが、このケイコちゃんだった訳だ

今年の春からは二人がツートップで南玉連合を仕切ってきたが、この夏、相馬さんが亡くなり、麻衣とケイコちゃんもこういうことになって…

そこへ、相馬さん死後の新たな枠組みができて、星流会は再び砂垣を担いで女子勢力を我が物にするため、侵攻してきている

それが今の現状のようだ

ところが、”引退”したはずの麻衣は、こともあろうに、相和会の幹部と婚約した…

都県境の”巷”じゃあ、本郷麻衣が今度は相和会幹部の妻として、排赤勢力に立ちはだかるという噂で持ちきりらしい

その噂もケイコちゃんが言うには、仲間のルートを使って、意図的の情報操作をしているはずだって


...


「私と麻衣が抜けた後、南玉連合は分裂の危機を乗り超えて、再び都県境の主力になったわ。他の女性勢力だけでなく、砂垣さんの古巣だった墨東会も反排赤の立場を明確に打ち出し、南玉を核にしてまとまりかけてるよ。対立軸ははっきりできて、もう一触即発ってとこまで来てる…」

ここでの構図は、表上は今までの排赤×反排赤に見えるけど、今般の麻衣の婚約によって、実情は全く違った形にスライドしちゃった

ケイコちゃんは、そう言う解釈をしているんだ

「麻衣が倉橋さんの奥さんのポジションで動いて行くとしたら…。あいつのことだから、またとんでもないことをやりかねないよ。そうすると…」

この先はさすがにオレでも想像がつく


...



麻衣は別段、ケイコちゃんとオレをまた巻き込もうなんて考えはないだろう

これは間違いないと思う

でも、ヤツが何かを仕出かけた結果、オレ達に火の粉が飛んでくることはあり得るだろうさ

”アキラ…、ひとつだけ言っとくわ。あなた達から私の存在を消すってのね…、それは無理よ。残念だけど”

この時オレは、病院での麻衣の言葉を思い出していた…