ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

再び出会った道/その15
アキラ



その夜、ケイコちゃんには追川さんから聞いた話を、”そのまま”伝えた

彼女とは2時間以上も話していたよ

二人とも必死だし、真剣だ

ケイコちゃんは頭の回転が速い

ひと通り話したら、ポイントをピックアップしてきたよ


...



「要は、私たちが警察の供述を覆すことを漏らさなければ、危険な目には遭うことはまずない。そう言うことだよね?」

「うん」

「でも、少ない可能性ながら、相和会や他の組織から狙われることも否定できない。相和会では、クスリがらみにほぼ限られる。警察の事実認識と違った証言が出回れば、不都合な事実が明るみに出るのを恐れて、私たちの口外を封じることにつながりかねない…」

こう語る彼女は、至って冷静だった

まるで自分が当事者以外の立場から分析しているかのようだ


...



「…それは、相和会と相反する人達が何かを聞き出そうと、相和会以外が私たちに接触しそうな状況も対象になり得る。アキラ、そう言うこともだよね?」

「うん、そういうことになるかな…」

「もう一つ…、その人たちが直接私たちに口を割らせようと危害を加えるかもしれない。だけど、今回の彼らの合意では、私たちが巻き添えになるのは、これ以外には考えずらい。これが追川さんの結論かな?」

「そうだよ」

「ところが…、麻衣の婚約が周知されたその後の展開が読めないので、私たちの身の安全にも不確定要素が出てきた…」

まさしくだ…

その不確定要素を左右するのは、麻衣のこれからの行動によるところが大きい


...



さらにそれを読み込んだ上での判断は、オレ達の知っていることを追川さんに伝え、意見を求めるか、オレたち二人の想定に基づき自身で下すかだ

ここで重要なのは、相和会を巡る、現時点での諸事情の本当のところは、オレたち二人が”一番”、知り得ているんじゃないかということだ

相和会を長きに渡り体を張って追及してきた追川さんは、それだけなく、国の中枢である現政権の不正疑惑までメスを入れた情報網を有している人だ

権力側の事情にも精通したその人から、あらん限りの知り得たことを”善意”で教えたもらっているんだ、オレとケイコちゃんは

加えて…、そのオレたちはそれぞれ違った経緯で、結果的には相和会の”中心”に身を置いていた

跡目相続での激震の真っただ中…


...



そして、ここに至って、キーパーソンそのものと化した本郷麻衣には、ケイコちゃんとオレは真正面でぶつかりあった

それによって、今のオレ達は麻衣の深いところを誰よりも知る人間に他ならない

なので、ケイコちゃんとオレは、誰よりもこの後の展開を探る術を持った存在と言えるよな

であればだ…

追川さんには、ある程度のことは伝えるべきではないのか…