ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

再び出会った道/その14
追川



「”真実”とは、かけがえのないもの…。そう思ってますよ」

「…」

アキラの問いへは明瞭に即答した

彼はちょっと意外そうな表情をしてるかな…

「オレからそんな言葉、変だったかな?はは…」

「いえ…。ただ…」

彼の言いたいことは分かっている

「と言ってもね、そう思えるようになったのは、ごく最近だよ。それまでは、絶対に明かされなければならないもの。いや、もっと過激だった。公の場に引きずり出さねばならないもの。そんな感覚で長年、仕事にあたっていたかな」

これは正直なところだ


...



「あのう、今日お話しいただいた内容はこの後、ケイコに話します。それで、じっくり二人で考え、またご連絡します。次は、3人でお会いすることをお願いするかも知れません。しばらく待っていただけますか?」

「待ってますよ、アキラさん。あなた方二人はこの夏、大変つらい思いをしてきた。しんどかったでしょうな。おそらく七転八倒の苦しみを味わったはずだ。それを二人で、ひとつひとつ解決してきたんだろうね。今日、二人を見てそれがはっきり伝わってきた。頑張って欲しい、キミ達二人には…」

俺は柄にもなく、熱くエールを送っていた

その後、約1時間弱の香月アキラとの”最初”の面会は終わり、少し雑談をしてから先に店を出た

その時、横田競子は他の客に注文を取っていたよ


...



今日、アキラから感じたのは、かなり落ち着いていて、あらかじめ頭も整理できていたようだとね

彼は俺の話をひと通り聞いた後、こう質問してきた

「麻衣は血がつながっていなくても、相馬さんと気性っていうか、感覚が恐ろしく似通ってるって評判です。そのことは追川さんも知ってますよね?」

「うん、その程度は聞き及んでいるよ。いまだに血縁だろうと思い込んでいる関係者も多いってことらしいよな」

「はい。その麻衣と倉橋という相和会の幹部が一緒になるって、相馬さんの生きた形跡を消すことに、背くってことになると思いませんか?」

「そうだな。俺はそう思うよ」

「じゃあ、なぜ、その条件を呑んで舌の根が乾かない今、婚約を公表したんでしょうか?」

「うーん、俺にも正直分かりかねるんだが、相和会としてはあえて”直後”を選択した可能性はあるかな…。ふふ…、まあ、”生きた形跡”っていったって、あまりに抽象的すぎるし、合意してすぐなら、さすがにドンパチって訳、行かないもんな。そんなところを計算してなのかもな。ああ、あくまで根拠のない推測だけどね…」

「はい、参考になりました」

彼はニコッとしていたが、どこか俺の様子を興味深く探ってる様な気もした


...



アキラとケイコは明らかに”真実”と向き合っている

二人は、俺に何らかを話す気になりかけているのかも知れない

とにかく待とう